商品開発・イノベーション

  • 2020.07.12

経営者の「哲学」が経営を決める

 最近、新聞である書籍の広告欄に目を奪われました。 「直感で発想 論理で検証 哲学で跳躍」  これは、現在国際大学の学長を務める経営学者、伊丹敬之氏が今月発表した本のタイトルです(「経営の知的思考 直感で発想 論理で検証 哲学で跳躍」東洋経済新報社)。経営の知的思考、というタイトルの通り、経営者が決断、経営判断する上でのプロセスについて書かれた本で、その要諦が「直感で発想し、論理で検証し、哲学で跳 […]

  • 2020.06.18

ヒット商品が生まれる理由【2020年上半期編】

 日本中、世界中で自粛の嵐に見舞われる中、それでも季節は流れ、今年ももう6月半ばになってしまいました。この時期恒例の上半期のヒット番付が発表されています。以前このブログでは雑誌「日経トレンディ」2019年のヒット商品ランキングを紹介しましたが、今回は「日経MJ」のヒット商品番付から、今年の上半期の消費動向について、考察してみたいと思います。 外出自粛、巣ごもり商品を反映した番付  今年の上半期は、 […]

  • 2020.06.03

「共感」で支えあい、新しい価値を生み出そう

 今年の4月から川崎にある創業支援施設K-NIC(Kawasaki-NEDO Innovation Center、https://www.k-nic.jp/)のサポーター(支援専門家)を務めており、月1回程度創業相談を担当していく予定です。6月2日、このK-NICのオンラインイベントに登壇しました。「基礎から学ぶ、コロナ時代に顧客から選ばれる商品作りとは」というタイトルで、私がこれまで経験・研究し […]

  • 2020.05.23

ソニー復活の原動力「リカーリングモデル」とは

 5月13日にソニーが決算発表を行い、その報道で「ソニー、サブスクが下支え エレキ減速も営業3割減速」との日本経済新聞の記事を見て、今回はこの記事から展開しようと思っていたのですが、その後「金融事業の完全子会社化」「ソニーグループへの社名変更」とニュースが続きました。以下は、5月20日付日本経済新聞の記事からの抜粋です。 ソニーの「リカーリング」比率は19年度には約5割と、15年度の35%から上昇 […]

  • 2020.04.26

商品やサービスの数だけ、開発ストーリーがある

 今週、バルミューダ社が新しいワイヤレススピーカーの発売を発表しました。  ぱっと見の印象はスピーカーというよりランプのようですが、「今までにない音楽体験をお届けするワイヤレススピーカー」として、「360°広がる立体的で抜けるような気持ちよいサウンドと、グルーヴを増幅させる輝きでライブステージのような臨場感をつくり出す」という、他では聞いたことのない特徴を持った商品です。  バルミューダは2003 […]

  • 2020.04.19

不要不急が叫ばれる今、できること

 最近、よく耳にする言葉として「不要不急」という言葉があります。この単語、どこかで聞いたことがあるな、と思っていたのですが、かつて読んだ書籍『横井軍平ゲーム館~「世界の任天堂」を築いた発想力』(2015年、筑摩書房)に登場していました。  この本でインタビューに答えている横井軍平氏は、元任天堂の開発部長でありアナログ玩具からゲーム&ウォッチ、ファミコンなど数多くの名作玩具を世に送り出した方です。も […]

  • 2020.04.13

”Zoom”が急速に普及している理由

 新型コロナウイルス対策のため、日本でも海外でも、Web会議の活用が急激に進んでいます。その中で一番注目されているサービスは”Zoom”でしょう。新規利用者を一気に獲得し、ユーザー数を急速に拡大しているようです。  Zoom Video Communications, Inc.は2011年創業で、2019年4月にNASDAQに上場しました。IPO企業の多くが赤字で上場する中、黒字で上場したことでも […]

  • 2020.04.05

「デザイン経営」に取り組みたい企業のためのイントロダクション

 2018年に経済産業省と特許庁が『「デザイン経営」宣言』を発表して以降、デザイン経営を浸透させるための行政主導の取り組みは続いています。先月には、特許庁のとりまとめによるデザイン経営の事例集が公開されました。 https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/human-design/reports.html  公開物の1つである「デザイン […]

  • 2020.03.06

時に気まぐれな消費者とどう付き合い、価値を届けるか?

 新型肺炎感染拡大の影響で、マスク、消毒液などの品薄状態が定常化して久しいですが、先週の政府からの「イベント自粛要請」「休校要請」のあたりから、インスタント食品やトイレットペーパーやティッシュペーパーの品薄が起こっている、という報道を聞いて驚きました。インスタント食品については、今後外出も規制される可能性がある、また、そもそもできるだけ外出したくないという風潮によるものだと言われていますし、トイレ […]

  • 2020.02.02

中小企業の新製品開発はどのように始めるか

 今週、自社製品の開発に取り組みたい、という経営者にお話を聞く機会がありました。特殊部品や試作品の金属加工を短納期に対応できることを強みとしている企業でしたが、新しいことに取り組みたいという思いの背景には、自社がやっている事業で10年後同じだけ売上を上げられる保証はない、自分の会社がなくなってしまうかもしれない、という強い危機感があることを感じました。  2017年の中小企業白書ではテーマの1つに […]

  • 2020.01.14

デザインでイノベーションを起こす②「意味のイノベーション」と「デザイン思考」

 前回は、デザインを用いてイノベーションを起こす方法の1つとして「意味のイノベーション」という考え方を紹介しました。今回は、「デザイン思考」を用いたイノベーションについて取り上げ、両者の比較に関する私見を述べたいと思います。おそらく、「デザイン思考」という言葉自体を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。 デザイナーのものの見方、考え方に倣うこと  デザイン思考をビジネスに活用することを普及 […]

  • 2020.01.07

デザインでイノベーションを起こす①「意味のイノベーション」

 2020年1月5日の日経電子版に「白物家電、静かに復活 洗濯機価格は10年で9割高く」という記事が掲載されていました。 (https://r.nikkei.com/article/DGXMZO5389979027122019SHA000?unlock  ※記事は日経電子版会員限定となっています ) 消費者ニーズやライフスタイルの変化に対応した白物家電 (上記グラフは日経電子版記事より)この記事に […]

  • 2019.12.03

ヒット商品が生まれる理由

 例年この時期になると、今年のヒット商品、流行語など、今年話題になったものの特集が続々出てきます。私は前職の仕事柄、ヒット商品特集の雑誌はチェックしたくなり、ついつい毎年購入してしまいます。  今年の雑誌「日経トレンディ」が選んだ2019年のヒット商品のベスト3は、「ワークマン」「タピオカ」「PayPay」でした。「タピオカ」と「PayPay」については、街中でも、テレビでもよく見たので妥当な気が […]

  • 2019.11.19

「マーケティング活動」の定義

 来年の2月に、毎年秋に創業スクールの講師としてお招きいただいている本庄早稲田国際リサーチパークにて、丸一日のマーケティングの研修の講師を務めることになりました。これまで、創業スクールの中ではおおよそ2時間ほど時間を取って、マーケティングの基本的な考え方と、顧客とのコミュニケーションに関する考え方やツールの説明、メッセージの作り方を紹介してきました。今回の研修では、対象者が創業者ではなくすでに事業 […]

  • 2019.11.10

デザイナーの皆さんに伝えたいこと【講義録@多摩美術大学】

 11月7日、多摩美術大学環境デザイン学科の松澤研究室にお伺いして、産学共同プロジェクトProject Based Learningに取り組んでいる学生さんたちに話をする機会を頂きました。テーマは「デザイナーの皆さんに伝えたいこと」としました。企業への提案に取り組んでいる皆さんに私が体験したメーカーでの商品開発についてお話してプロジェクトの活動に生かしてもらうことはもちろんですが、将来プロのデザイ […]

  • 2019.11.04

デザイン活用は、組織づくり、文化づくりから始めよう 【「小さくはじめるデザイン室」サービス開始にあたって】

 VALUE LABOが提供するサービスとして、「小さくはじめるデザイン室」の告知を開始しました。このサービスは、草野さんが2年ほど前から企業研修の一環として行っていた「出張デザインレクチャー」をベースにしており、デザイン室を新設する組織文化醸成やデザイン室担当者の育成を行います。  私たちが想定するデザイン室は、企業におけるデザインマネジメントを担当する部署を想定しており、デザインに関する業務に […]

  • 2019.10.06

ブランドとデザインの関係(まずはプロダクト編)

 前回のブログで、「Appleの一連の製品に見られるデザインの統一感や世界観を日本の家電ブランドの製品群から感じることは難しい」という記述をしましたが、これに関して、「デジタル製品ばかりのAppleと違い、商品の幅が広い家電メーカーで統一感を持たせるのは難しいのでは」というコメントを頂きました。  これについては、私がメーカーに在籍していた時にも感じていたことで、テレビとドライヤーくらいの極端な例 […]

  • 2019.09.29

デザインを活用するステップを知ろう

 これまで2回のブログでは、私の考える「経営のデザイン」が、デザインマネジメントにおける「マネジメントのデザイン」( Designing Management :デザイン能力と創造性を高めるための人的資源管理、組織体制の構築や、デザインを核に据えた経営戦略の立案、実行)の実現を目指すものであること、その実現が中小企業にこそ求められると考えていることについて紹介しました。今回は「経営のデザイン」の具 […]

  • 2019.09.22

中小企業診断士である私が、なぜ「経営とデザイン」に取り組むのか。

 国内の中小企業の中には、競合企業や大手企業に負けないような優れた技術を持っている企業が多数存在します。ところがそのような企業であっても、自社商品が思うように売れない、高い技術に見合う価格で製品やサービスを販売できずに苦しい経営を強いられている企業は少なくありません。  一方、従業員数名の企業が、世界に通用する商品を生み出し続け、安定した売り上げを続けている例も多くあります。こうした違いは何から生 […]