• 2020.07.26

テスラは自動車に新しい「意味」を与えた

 DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(ダイヤモンド社)の2020年8月号のテーマは「気候変動」です。ビジネスに関する最新研究や論稿が掲載される本書としては少し趣の異なるテーマであるように思われますが、サブタイトルが「顧客・人材・資金の獲得につなげる機会」とあるように、気候変動にまつわる事業環境の変化をどのように企業経営の機会として生かすか、ということがテーマになっています。  日本では今 […]

  • 2020.07.12

経営者の「哲学」が経営を決める

 最近、新聞である書籍の広告欄に目を奪われました。 「直感で発想 論理で検証 哲学で跳躍」  これは、現在国際大学の学長を務める経営学者、伊丹敬之氏が今月発表した本のタイトルです(「経営の知的思考 直感で発想 論理で検証 哲学で跳躍」東洋経済新報社)。経営の知的思考、というタイトルの通り、経営者が決断、経営判断する上でのプロセスについて書かれた本で、その要諦が「直感で発想し、論理で検証し、哲学で跳 […]

  • 2020.07.04

経営理念は「必要」と思った時が「作りどき」

 昨年の暮れくらいからでしょうか、経営者の方と「経営理念」の制定に関わる話をする機会が絶えず続いています。相手の規模や業種は様々で、経歴も起業したばかりの方、新たな事業を立ち上げた方、起業以来成長を続けている企業、すでに歴史のある企業までいらっしゃいます。また、この期間に経営理念をトピックとしたセミナーに登壇させていただいたこともあります。そこで今回は、経営理念を制定する意義についてご紹介したいと […]

  • 2020.06.18

ヒット商品が生まれる理由【2020年上半期編】

 日本中、世界中で自粛の嵐に見舞われる中、それでも季節は流れ、今年ももう6月半ばになってしまいました。この時期恒例の上半期のヒット番付が発表されています。以前このブログでは雑誌「日経トレンディ」2019年のヒット商品ランキングを紹介しましたが、今回は「日経MJ」のヒット商品番付から、今年の上半期の消費動向について、考察してみたいと思います。 外出自粛、巣ごもり商品を反映した番付  今年の上半期は、 […]

  • 2020.06.03

「共感」で支えあい、新しい価値を生み出そう

 今年の4月から川崎にある創業支援施設K-NIC(Kawasaki-NEDO Innovation Center、https://www.k-nic.jp/)のサポーター(支援専門家)を務めており、月1回程度創業相談を担当していく予定です。6月2日、このK-NICのオンラインイベントに登壇しました。「基礎から学ぶ、コロナ時代に顧客から選ばれる商品作りとは」というタイトルで、私がこれまで経験・研究し […]

  • 2020.05.23

ソニー復活の原動力「リカーリングモデル」とは

 5月13日にソニーが決算発表を行い、その報道で「ソニー、サブスクが下支え エレキ減速も営業3割減速」との日本経済新聞の記事を見て、今回はこの記事から展開しようと思っていたのですが、その後「金融事業の完全子会社化」「ソニーグループへの社名変更」とニュースが続きました。以下は、5月20日付日本経済新聞の記事からの抜粋です。 ソニーの「リカーリング」比率は19年度には約5割と、15年度の35%から上昇 […]

  • 2020.05.08

価格設定は、内を見て、外を見て、経営者が決断しよう

 4月24日に、中小企業庁から中小企業白書が公表されました。 https://www.meti.go.jp/press/2020/04/20200424002/20200424002.html  例年、中小企業白書では、テーマが設定されて調査結果に基づいて分析が行われますが、今年は『「価値」を生み出す中小企業・小規模事業者』がテーマとなっており、新たな価値を生み出している中小企業や小規模事業者の特 […]

  • 2020.04.26

商品やサービスの数だけ、開発ストーリーがある

 今週、バルミューダ社が新しいワイヤレススピーカーの発売を発表しました。  ぱっと見の印象はスピーカーというよりランプのようですが、「今までにない音楽体験をお届けするワイヤレススピーカー」として、「360°広がる立体的で抜けるような気持ちよいサウンドと、グルーヴを増幅させる輝きでライブステージのような臨場感をつくり出す」という、他では聞いたことのない特徴を持った商品です。  バルミューダは2003 […]

  • 2020.04.19

不要不急が叫ばれる今、できること

 最近、よく耳にする言葉として「不要不急」という言葉があります。この単語、どこかで聞いたことがあるな、と思っていたのですが、かつて読んだ書籍『横井軍平ゲーム館~「世界の任天堂」を築いた発想力』(2015年、筑摩書房)に登場していました。  この本でインタビューに答えている横井軍平氏は、元任天堂の開発部長でありアナログ玩具からゲーム&ウォッチ、ファミコンなど数多くの名作玩具を世に送り出した方です。も […]

  • 2020.04.13

”Zoom”が急速に普及している理由

 新型コロナウイルス対策のため、日本でも海外でも、Web会議の活用が急激に進んでいます。その中で一番注目されているサービスは”Zoom”でしょう。新規利用者を一気に獲得し、ユーザー数を急速に拡大しているようです。  Zoom Video Communications, Inc.は2011年創業で、2019年4月にNASDAQに上場しました。IPO企業の多くが赤字で上場する中、黒字で上場したことでも […]

  • 2020.04.05

「デザイン経営」に取り組みたい企業のためのイントロダクション

 2018年に経済産業省と特許庁が『「デザイン経営」宣言』を発表して以降、デザイン経営を浸透させるための行政主導の取り組みは続いています。先月には、特許庁のとりまとめによるデザイン経営の事例集が公開されました。 https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/human-design/reports.html  公開物の1つである「デザイン […]

  • 2020.03.17

不確実性が高い時代のビジネスデザインのヒント

 以前、このブログでマーケティングの基本的な考え方としての「STP+4P分析」を紹介しました。STP+4P分析をベースとする考え方は、「STPマーケティング」と呼ばれています。   マーケティングをテーマとして定期的にセミナーなどでお話する機会があるので、準備の際には資料をブラッシュアップするために色々な情報を集めます。その中で、従来的な「STPマーケティング」の考え方が不十分であるとして補完する […]

  • 2020.03.06

時に気まぐれな消費者とどう付き合い、価値を届けるか?

 新型肺炎感染拡大の影響で、マスク、消毒液などの品薄状態が定常化して久しいですが、先週の政府からの「イベント自粛要請」「休校要請」のあたりから、インスタント食品やトイレットペーパーやティッシュペーパーの品薄が起こっている、という報道を聞いて驚きました。インスタント食品については、今後外出も規制される可能性がある、また、そもそもできるだけ外出したくないという風潮によるものだと言われていますし、トイレ […]

  • 2020.02.21

マーケティング活動の意義は「顧客について考える」こと

 以前、このブログでもお知らせしていましたが、2月18日に本庄早稲田国際リサーチパークにて、「売上UPのためのマーケティング研修」を開催いたしました。おかげさまで、定員30名の方にお集まりいただき、1日かけてマーケティングについて学んで頂きました。 マーケティングのプロセス  私がマーケティングのお話をするときにベースにしているのは、フィリップ・コトラー氏が提唱したとされる、「STP+4P分析」と […]

  • 2020.02.13

創業者どうしが支えあうコミュニティが、次の創業者を育てる

 2月9日(日)、埼玉県本庄市で開催された本庄周辺の女性起業者によるイベント「Lady★Go」に参加しました。本庄市では、2015年から本庄早稲田国際リサーチパークで「本庄早稲田塾・ゼロからはじめる創業スクール」が開催されており、私は1年目から講師として参画しています。また2015年の第1回は9月末から開催されましたが、私はまさに同年9月に大学院の修士課程を修了して、中小企業診断士として完全に独立 […]

  • 2020.02.02

中小企業の新製品開発はどのように始めるか

 今週、自社製品の開発に取り組みたい、という経営者にお話を聞く機会がありました。特殊部品や試作品の金属加工を短納期に対応できることを強みとしている企業でしたが、新しいことに取り組みたいという思いの背景には、自社がやっている事業で10年後同じだけ売上を上げられる保証はない、自分の会社がなくなってしまうかもしれない、という強い危機感があることを感じました。  2017年の中小企業白書ではテーマの1つに […]

  • 2020.01.26

経営者は、ビジネスの活動に「目的」と「目標」を設定しよう

 今週は、都内で「商談」に関するセミナーの講師を務めました。中小企業が商談の機会を得るチャンスとしては、自社から電話やメールなどでアポイントする方法、取引先や知り合いからの紹介を受ける方法以外に、公的機関や金融機関等が主催する「合同商談会」に参加するという方法があります。合同商談会は、事前に参加企業が受注希望、発注希望の内容を提出し、公開された内容を見て取引の可能性がありそうな企業と商談する、とい […]

  • 2020.01.20

【セミナー報告】デザインマネジメントの実践

 1月15日、一般社団法人埼玉県経営者協会の主催する「デザインマネジメント3DAYSステップセミナー」の第3回が開催されました。これまで「知識編」「感性編」と題して行ってきた2回に続く今回は「導入編」として、私が講師を務めました。「デザインマネジメントの組織へ導入を体感する」ことをテーマとしました。 「デザイン思考」のエッセンス  我々VALUE LABOがデザインマネジメントの活動を進めるうえで […]

  • 2020.01.14

デザインでイノベーションを起こす②「意味のイノベーション」と「デザイン思考」

 前回は、デザインを用いてイノベーションを起こす方法の1つとして「意味のイノベーション」という考え方を紹介しました。今回は、「デザイン思考」を用いたイノベーションについて取り上げ、両者の比較に関する私見を述べたいと思います。おそらく、「デザイン思考」という言葉自体を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。 デザイナーのものの見方、考え方に倣うこと  デザイン思考をビジネスに活用することを普及 […]

  • 2020.01.07

デザインでイノベーションを起こす①「意味のイノベーション」

 2020年1月5日の日経電子版に「白物家電、静かに復活 洗濯機価格は10年で9割高く」という記事が掲載されていました。 (https://r.nikkei.com/article/DGXMZO5389979027122019SHA000?unlock  ※記事は日経電子版会員限定となっています ) 消費者ニーズやライフスタイルの変化に対応した白物家電 (上記グラフは日経電子版記事より)この記事に […]

  • 2019.12.29

組織文化をはぐくむ環境づくり(2)

 前々回のブログでは、高い成果を上げる組織の必要条件としての「心理的安全性」について紹介しました。「心理的安全性」が担保された環境では、「コミュニケーションの活性化」や「積極的なチャレンジ」が起こりやすく、高い成果が表れる可能性が高い、という内容でした。  ただし、こうした成果は「心理的安全性」が担保されているだけでもたらされるものでないことも、「心理的安全性」の概念を紹介したエイミー・C・エドモ […]

  • 2019.12.22

【セミナー報告】「センス」をフル稼働してデザインに向き合おう

 12月17日、一般社団法人埼玉県経営者協会の主催する「デザインマネジメント」3DAYSステップセミナーの第2回(DAY2)が開催されました。今回は【「感性価値」がビジネスを創る!〜「デザインマネジメント」による企業独自の価値の生み出し方〜】と題して、テクノロジーやマーケティングの進化による「正解」がコモディティ化した時代との向き合い方、直感や感性を経営に取り入れていく「感性価値(独自性)」の重要 […]

  • 2019.12.18

組織文化をはぐくむ環境づくり

 昨年、経済産業省と特許庁がまとめた「『デザイン経営』宣言」によって注目を集めることとなった「デザイン経営」ですが、デザインを経営に活用する動きは今日に始まった事ではないということが、「ForbesJAPAN」2017年4月号の佐宗邦威氏による記事「世界的企業は今、なぜ『デザイン×経営』なのか?」で紹介されています。この記事によると、 ・1990〜2000年代前半にかけては、「ブランド作り」のため […]

  • 2019.12.08

中小企業もオープンイノベーションを活用しよう

 年末になると、来年度の経済政策、予算の内容についての報道が増えてきます。12月7日の日本経済新聞には、次のような記事がありました。来年4月から2年間、「オープンイノベーション促進税制」として、大企業が設立10年未満の非上場企業に1億円以上を出資したら、出資額の25%相当を所得金額から差し引いて税負担を軽くする優遇措置を設け、自社にない革新的な技術やビジネスモデルを持つスタートアップとの協業による […]

  • 2019.12.03

ヒット商品が生まれる理由

 例年この時期になると、今年のヒット商品、流行語など、今年話題になったものの特集が続々出てきます。私は前職の仕事柄、ヒット商品特集の雑誌はチェックしたくなり、ついつい毎年購入してしまいます。  今年の雑誌「日経トレンディ」が選んだ2019年のヒット商品のベスト3は、「ワークマン」「タピオカ」「PayPay」でした。「タピオカ」と「PayPay」については、街中でも、テレビでもよく見たので妥当な気が […]

  • 2019.11.24

デザインマネジメントとSDGsの共通点

 11月10日、一般社団法人埼玉県経営者協会の主催する「デザインマネジメント3DAYSステップセミナー」の第1回が開催されました。サブタイトルは『「デザインマネジメント」の組織への浸透を通して、企業の独自価値(Only One Value)を創造しよう!』で、3DAYSステップセミナーという名前の通り、3回シリーズで開催するものです。全3回の内容は、次の通りです。 DAY1 デザインマネジメントの […]

  • 2019.11.19

「マーケティング活動」の定義

 来年の2月に、毎年秋に創業スクールの講師としてお招きいただいている本庄早稲田国際リサーチパークにて、丸一日のマーケティングの研修の講師を務めることになりました。これまで、創業スクールの中ではおおよそ2時間ほど時間を取って、マーケティングの基本的な考え方と、顧客とのコミュニケーションに関する考え方やツールの説明、メッセージの作り方を紹介してきました。今回の研修では、対象者が創業者ではなくすでに事業 […]

  • 2019.11.10

デザイナーの皆さんに伝えたいこと【講義録@多摩美術大学】

 11月7日、多摩美術大学環境デザイン学科の松澤研究室にお伺いして、産学共同プロジェクトProject Based Learningに取り組んでいる学生さんたちに話をする機会を頂きました。テーマは「デザイナーの皆さんに伝えたいこと」としました。企業への提案に取り組んでいる皆さんに私が体験したメーカーでの商品開発についてお話してプロジェクトの活動に生かしてもらうことはもちろんですが、将来プロのデザイ […]

  • 2019.11.04

デザイン活用は、組織づくり、文化づくりから始めよう 【「小さくはじめるデザイン室」サービス開始にあたって】

 VALUE LABOが提供するサービスとして、「小さくはじめるデザイン室」の告知を開始しました。このサービスは、草野さんが2年ほど前から企業研修の一環として行っていた「出張デザインレクチャー」をベースにしており、デザイン室を新設する組織文化醸成やデザイン室担当者の育成を行います。  私たちが想定するデザイン室は、企業におけるデザインマネジメントを担当する部署を想定しており、デザインに関する業務に […]

  • 2019.10.28

【セミナー報告】「デザインマネジメントを活用した新規事業開発の進め方」

 10月25日、VALUE LABOプロジェクトのキックオフとなるデザインマネジメントセミナーを開催しました。今回は、「デザインマネジメントを活用した新規事業開発の進め方」をテーマに、デザインマネジメント専門家である草野紀親氏によるセミナーです。  冒頭、草野さんからは、「デザイン経営」という言葉が頻繁に取り上げられるようになっていることに触れるとともに、「デザイン経営」を実践するために行われてい […]

  • 2019.10.23

創業計画は、「経営のデザイン」の第一歩

 現在、毎週末に創業スクールの講師として登壇をしています。創業のアイデアを考えることから始めたい方、具体的なビジネスアイデアがある方、すでに事業を営んでいる方など、様々な方が受講されます。  どんな事業でも、経営資源の制約を受けて行われることになりますが、創業の場合は特に「今ある経営資源」「今調達可能な経営資源」でスタートしなければなりません。その中でどのように創業後の道筋を作るのか、それはまさに […]

  • 2019.10.06

ブランドとデザインの関係(まずはプロダクト編)

 前回のブログで、「Appleの一連の製品に見られるデザインの統一感や世界観を日本の家電ブランドの製品群から感じることは難しい」という記述をしましたが、これに関して、「デジタル製品ばかりのAppleと違い、商品の幅が広い家電メーカーで統一感を持たせるのは難しいのでは」というコメントを頂きました。  これについては、私がメーカーに在籍していた時にも感じていたことで、テレビとドライヤーくらいの極端な例 […]

  • 2019.09.29

デザインを活用するステップを知ろう

 これまで2回のブログでは、私の考える「経営のデザイン」が、デザインマネジメントにおける「マネジメントのデザイン」( Designing Management :デザイン能力と創造性を高めるための人的資源管理、組織体制の構築や、デザインを核に据えた経営戦略の立案、実行)の実現を目指すものであること、その実現が中小企業にこそ求められると考えていることについて紹介しました。今回は「経営のデザイン」の具 […]

  • 2019.09.22

中小企業診断士である私が、なぜ「経営とデザイン」に取り組むのか。

 国内の中小企業の中には、競合企業や大手企業に負けないような優れた技術を持っている企業が多数存在します。ところがそのような企業であっても、自社商品が思うように売れない、高い技術に見合う価格で製品やサービスを販売できずに苦しい経営を強いられている企業は少なくありません。  一方、従業員数名の企業が、世界に通用する商品を生み出し続け、安定した売り上げを続けている例も多くあります。こうした違いは何から生 […]

  • 2019.09.14

「経営をデザインする力」を鍛えるブログを始めるにあたって。

 VALUE LABOプロジェクトのキックオフに合わせて、「経営デザイン」にまつわるブログを始めることになりました。「経営デザイン」という言葉は、昨年内閣府から紹介された「経営デザインシート」で広く知られるようになったようですが、例えば早稲田大学大学院創造理工学研究科には「経営デザイン専攻」という専攻がありますし、まったく新しい言葉というわけではありません。  私自身は、2015年に個人事業主とし […]